2016年8月24日水曜日

92歳の母の愚痴

しばらく前に弟から母が弱ってきたという話を聞いていた。電話をかけてみたら、45分くらい、たっぷり、母の過去の愚痴話を聞くことになった。登場する親戚や知人は皆不幸だ。良くない思いをいだき他の人を不幸にすることにエネルギーを費やすような。母の主観ではそうである。母は概ね被害者でひどい目にあっている。

聞いていて、しんどい、こんな人に被害にあった思いを頭に一杯にして92歳の今も生きているのだ。これでは、この頭いっぱいの、人に対する不満を抱えていたら、癌になってもおかしくないように思った。父は人に対する不満が母ほどなかったと思う。91歳で亡くなったが癌にはならなかった。愚痴をいう母には、その憤懣を吐き出すネガティブなエネルギーにあふれていて一見元気であるかのようだった。怒りを元にして生きているような。何かが間違っているようにも思える。

しかし、私は、その息子、まったく同じことを心のなかでしてはいまいか。

私は、アメリカ暮らしが長くなってきたが、もともと日本で育っている。
こういうネガティブ、否定的な、心を持った人々に囲まれて育ってきて、自分もそうなっていた。今だってそうかもしれないが。

周囲がどうであれ、人に怒らず、憎まず生きれるだろうか。心の病とも言える状態を周囲に伝播させず、逆に、周囲を癒やすような、生き方ができるのだろうか。